リーグ・オブ・レジェンドでは時々チャンピオンの大幅な変更、通称リワークが行われる。直近ではレルに中規模アップデートが行われたが、これまでにも多くのチャンピオンがリワークされてきた。
そんなチャンピオン達の中から、今回はイブリンを取り上げ、リワーク前はどんなチャンピオンだったのかを紐解いていきたい。
現在のイブリンはAPアサシン
現在のイブリンといえば、レベル6以降は常時ステルス(カモフラージュ)というのが特徴的で、Qを連打するから指が疲れるチャンピオンといったところだろうか。ダメージタイプは完全にAP(魔力)のアサシンで、基本的にジャングルでしか運用されない。
しかし、現在のイブリンの姿になったのは2017年のパッチ7.20でのこと。このパッチでビジュアルからスキルまで全てに手が加えられ、大幅にリワークされた。では、それまではどのようなチャンピオンだったのだろうか?
なんと1レベからステルス、WとRはかなり別物
そもそも2009年に実装された後、2012年にもゲームプレイアップデートが行われている。その後は2017年のパッチ7.20まで、根幹を変えるような大きな変更は行われていない。つまり、現在のイブリンはVer3.0とも呼べるわけだ。
最初期のイブリンは筆者もプレイしたことなく、また資料になるものも少ない。そのため、今回は今の姿になる前の、Ver2.0にあたる2012~2017年時代のイブリンを中心に取り上げていく。
以下はパッチ6.15の動画だが、各スキルが解説されているので、こちらを参考に見ていこう。現在とはルーンのシステムが違うので、そのあたりは飛ばしても構わない。
パッシブは今と同じく非戦闘時の常時ステルスだが、なんとレベル1から発動している。ちなみに6.22のアサシンアップデートで「ステルス」が現在のカモフラージュとインビジブルの2つに整理されたが、イブリンはこの時点で既にカモフラージュとほぼ同じ仕様なようだ。
また、今と違いHPではなくマナが回復するが、現在とはジャングルアイテムのシステムも違うため、この点についてはどちらが良いか判断しにくい。
Qは、現在のQの再発動部分と似たものを、CD1.5秒で連打する。1回目の方向指定がない分操作は楽だろう。スキル名も今と同じで、イブリンのアイデンティティの一つ。2012年のアップデートでAD(物理攻撃力)レシオが追加されており、Eにも同じくADレシオが追加された。その影響か、この時期のビルドガイドにはADビルドやハイブリッドビルドが紹介されていることも多い。
Wは今と全く異なり、スロー解除と移動速度アップ。スキルを当てたりキルアシストでCDが減るようだ。本当に全く別物なので評価ができない。
Eは現在の未強化Eを感じるテイストで、通常攻撃とさほど射程の変わらない、対象指定の物理ダメージスキル。5.1でオンヒットエフェクト(通常攻撃時効果)が適用されるようになり、それが今のEにも引き継がれている。ADレシオがあり、2回ヒットする(シヴァーナのQに近い)上に、3秒間の攻撃速度アップまで付いてくるため、一部のビルドでは王剣が組み込まれていたりもする。APビルドでは今と同じくリッチベインが使われることもあったようだ。
Rは全く別物で、地点指定の範囲スキル。感覚としてはノックアップの無いチョガスのQのようなもので、円形の範囲内の敵にスローとHP割合ダメージを与える。また、ヒットしたチャンピオン1体につきシールドが貰えるため、集団戦で先陣を切るような戦い方にも合うだろう。
総合すると、APメインのステルスチャンピオンながらも、攻撃速度アップにスロー解除、シールド獲得などファイターっぽい性能だったと言える。ADレシオが搭載されていることもあり、ハイブリッドビルドや王剣採用など幅広いビルドが存在したチャンピオンだ。
一方で、今ほどバーストが出ないからか、APビルドでもクリセプが紹介されるケースが多く見られる。敵に貼り付く必要があったのかもしれない。
メインレーンはジャングルというのは今と変わらず。レベル1からステルスなだけあって、今よりガンクは強烈だろう。
アイデンティティは今と変わらないかも?
いかがだっただろうか。常時ステルスかつ、Qをスパムするという点はリワーク後も同じなので、本質はそれほど変わっていないといった印象だ。一応、筆者もリワーク前のイブリンをプレイしたことはあるのだが、昔のことなのであまり記憶には残っていない。
7.20のリワークによって完全にAPチャンピオンとなり、ビルド幅が少なくなってしまったのは残念だが、今のRの爽快感は捨てがたいものだ。
最近は大規模なリワークも少なくなったが、2017年頃はアサシンアップデートなど、大規模なチャンピオンリワークが多かった。本記事が好評であれば、他のチャンピオンも取り上げていきたい。