12月8日に発売され、Steam レビューで「圧倒的に不評」となったサバイバルホラーMMO『The Day Before』の開発スタジオのFntasticは、日本時間12月12日未明にスタジオの閉鎖を発表した。発売してわずか4日の出来事だ。
『The Day Before』とは
前評判
本作は、過去に『Propnight』をリリースしたFntasticが手掛けた新作サバイバルMMO だ。ゾンビパンデミック後のアメリカを舞台に、プレイヤーは食料や武器などの物資を探索し、ゾンビや他のプレイヤーと戦いながら生き延びることが求めれるPvPvE だ。また、特定の場所でコロニーを作り、コミュニティ内での交流や戦利品の売買が可能だ。
ゲームの特徴として、広大なオープンワールドに乗り物で移動する要素があり、高層ビルが建ち並ぶ都市から自然豊かな田舎まで様々な環境が用意されている。また、武器のカスタマイズも可能で、例えばスナイパーライフルに高倍率のスコープを付けたり、サプレッサーを装着して敵に気付かれにくくするなど、戦略的な要素もある。
実際にリリースされたもの
今作が発表された当初は、ゲーマーからの関心はとても高かったが、続報が全くと言っていいほど公開されず、ゲーマーやゲームメディアからは、実際に開発が行われているのか不安の声が上がっていた。また、リリース時期も11月10日から12月8日へ変更されるなど、さらにゲーマーへの不信感を募らせてしまった。
そんな中12月8日にリリースされた本作は、リリース初日からSteam レビューで「圧倒的に不評」と評価されてしまった。
リリースされた本作は、事前に発表のあったオープンワールドゾンビサバイバルMMOではなく、ゾンビがモブとして邪魔してくる張りぼての建物が配置された街でプレイヤー同士が戦い合うというものだった。オープンワールドと謳いつつも、特定のエリアに行かねばならず、ゾンビの数は少なく、サバイバル要素は喉の渇きと傷のみで、アーリーアクセスとはいえとても前評判通りのゲームではなかった。また、ラグや最適化、サーバーの安定性とログインサーバーの問題もあり、とても満足にゲームができる状態ではない。
SteamDB による統計
ゲームのプレイヤーベースは最初からそれほど大きくなく、ローンチ時の1時間で38,104人がピークに達した。そこから急速に下降し、12時間以内に同時接続者数が10,000人以下に落ち込んだ。SteamDB によると、現在オンラインのプレイヤーは4,000人を切っている。
リークされたSteam 返金率
Fntastic のCEO であるEduard Gotovtsev がTelegram に投稿したメッセージがリークされた。リークされた内容によると、Steam 売上は201,076本でSteam 返金91,694本 と、返金率が約46% となっている。同投稿には、ゲームが財政的に失敗し、Propnight より悪い結果だという。また、メッセージが投稿された同日の売り上げは0本だった。
スタジオ閉鎖およびCEOのXアカウント削除
ユーザーから厳しい声ばかり上がった本作だが、発売翌日には緊急アップデートを行う予定だったが、12月12日にX(旧Twitter)の公式アカウントがスタジオを閉鎖するという旨の投稿を行った。
本投稿によると、『The Day Before』は財政的に失敗し、Fntastic は運営を続けるための資金が不足し、開発継続が困難だという。また、開発にあたってクラウドファンディングや予約注文等、事前にゲーマーから資金を徴収するような行為は行っていないことも明言している。『The Day Before』と『Propnight』の将来は不明だが、サーバーは稼働し続けると述べられている。
2023年12月12日時点では、CEO のEduard Gotovtsev のXアカウントは削除されている。
『The Day Before』は、2023年12月12日現在Steamでまだ購入可能だ。ライブラリに追加したい、サーバーが閉じる前にプレイしてみたいというユーザーは購入してみてはいかがだろうか。
追記:2023年12月12日午前8時 Steamで購入できなくなった。