モンスターハンターXXが発売されて1年と8ヶ月近くになる。私は未だにこのゲームで狩猟笛を振り回し続けている。
みなさんはモンスターハンター:ワールドをまだプレイしているだろうか。もう売ってしまっただろうか。
「受付嬢ブサイクだったなあ」だとか「古代樹の森は迷路だったなあ」ともう思い出になってしまっているだろうか。
早い人ならMHWの発売から3ヶ月ほどでプレイしなくなって、モンスターハンターというコンテンツからもう半年以上離れているのではないだろうか。
そんな今だからこそ、私は狩猟笛という使用率1%未満の武器について書きたい。
私が長ったらしく書いたところで、たった1%にしか伝わっていない狩猟笛の魅力を伝えられるかどうかはわからないが、読んでいただきたい。
もしも、もしも魅力が伝わり興味が出てきたのなら、もう一度、埃を被ったモンスターハンターを掘り起こして一狩り行ってもらいたい。狩猟笛を担いで。
1.あまりにも多様な見た目と音色、性能
狩猟”笛”という武器の名前を疑うほど、個性的な見た目の武器が多い。太鼓、銅鑼、メガホン、ベル、ハープ、ギター、ベース、ドラム、キーボード、アカムトルム、鈴、琴、三味線、フルフル、オルゴール、山羊、ゼンマイ、ぐでたま、飛行船、カスタネット、カエル、巻き貝、木魚、笙、アコーディオン・・・ちゃんとした笛の方が少ないのではないだろうか
さらに、旋律という狩猟笛独特のシステムによって、火力や属性以外で使い分けることができる。火属性の敵には火属性耐性upの笛を、咆哮が多い敵には耳栓を付与できる笛を、風圧が鬱陶しい敵には風圧無効の笛を・・・といったように、掛けることのできるバフよってどんな需要にも対応して狩りを快適にできるのだ。
しかも狩猟笛はすべての笛が心眼(はじかれ無効)を持っているため、切れ味が悪い武器でも簡単に担いでいくことができる。
2.旋律
先ほど述べた旋律というシステムについて掘り下げてみよう。
狩猟笛には3つの音色が設定されていて、この3種の音色を一定の順番に揃え、演奏することで攻撃力強化や移動速度up、耳栓などの効果が発動する。
音色は、音符(♪)マークに色付きで武器毎に設定されている。(例:♪♪♪)
△ボタン、〇ボタン、△〇同時押しという風に音色はボタン操作のアクションに割り振られている。
そして音色の組み合わせで旋律が成立し、発動する効果が決定するのだ。
一見複雑だが、MHX以降の作品は旋律表がゲーム内に表示されるのでカンニングするとよいだろう。
今回の例の♪♪♪の場合:
♪♪:自分強化(移動速度up)&はじかれ無効(心眼)
♪♪♪♪:攻撃力強化(1.15倍、重ね掛けで1.2倍)
♪♪♪:寒さ無効(ホットドリンク)
♪♪♪:暑さ無効(クーラードリンク+地形ダメージも無効)
♪♪♪:だるま無効(雪だるまや泥だるま等)
♪♪♪♪:聴覚保護【小】(耳栓、重ね掛けで高級耳栓)
というように、とても多くの補助効果を発動させることができる。
攻撃力強化を演奏したい場合、△→〇→△〇同時押し→△で♪♪♪♪を揃え、Rを押すことで演奏がはじまり、個性豊かな狩猟笛の音色と共にエリアの味方全員の攻撃力が1.15倍になるのだ。
(演奏中にRをもう一度押すと追加演奏が始まり、さらに長く狩猟笛の音色を聴くことができる重ね掛けしてさらなる効果を得ることができる)
そして、この効果を維持するために旋律を揃えながら戦闘中に隙を見て演奏し、ある程度の火力やスタン(狩猟笛は打撃武器!)と補助を両立させることができて一人前の狩猟笛使いといえるだろう。
誤解されがちだが、狩猟笛は納刀せずに立ち回るのが基本(抜刀攻撃は△の音色しか出ないため旋律が崩れてしまう)なので、広域化との相性は良いとは言えない。
また、演奏というアクションはモンスターのヘイトを溜めやすいので、離れた場所でバフだけ演奏するという所謂“吹き専”は地雷行為である。
3.操作の単純さ
狩猟笛はアクションがあまりにも単純だ。(着色は先ほどの例の旋律に合わせた)
スティック入力中に△を押せば、前に振り下ろす。スティック入力がなければ、左から振る。
スティック入力中に〇を押せば、右から2回振る。スティック入力がなければ、右から1回振る。
スティック入力中に△〇同時押しをすれば、叩きつける。スティック入力がなければ、後ろに振る。
Rを押せば、演奏する。(キックと同じボタンを押すと柄で刺す)
以上だ。
もちろん実際には追加演奏の種類が複数あり、厳密には2回振るだけではなかったりするが、大まかにはこの程度だ。
派生からしか出せない攻撃も無ければ、変形も大技もない。音が出るだけだ。しかし前後左右どこにでもスイングできるので、あらゆる角度からモンスターの頭を狙うことができる。
全武器中最速の移動速度でモンスターの攻撃を歩いて避け、頭に攻撃を当てる。旋律を揃える。演奏する。それを繰り返す。
派手なアクションこそないものの、上手くできたなら非常に美しい狩りになるだろう。リズムを崩さず、モンスターの行動を理解し立ち回るのだ。
4.ソロプレイの魅力
狩猟笛はバフをかけることができるという役割上、火力は控えめである。よって、笛はマルチ向けというのが一般に言われているが、そうではない。
狩猟笛は自分にヘイトが向いている時こそ、最も楽しく、そして最も腕を見せられる時なのだ。
抜刀時の圧倒的な移動速度とそのリーチにより、狙いたい部位を的確に狙うことができる。他人にターゲットを向けている時のモンスターほど予測しにくいものはないだろう。巻き添えで被弾するかもしれないし、狙いたい頭はブレにブレる。
ソロならば、モンスターは自分だけを見ていてくれる。二人きりの空間だ。邪魔が入るとすればファンゴやコンガに吹き飛ばされる程度だ。叩きつけで潰してしまおう。
モンスターの動きを予測し、事前に位置取りし、頭を狙う。そうしてスタンを取って、一人でニヤつくのだ。きっと癖になるだろう。
5.さいごに
溜め3の爽快感も、気刃斬りのカッコよさも、乱舞の鮮やかさも、ホームランの迫力も、その他の武器ほどの派手さもないだろう。
立ち止まって演奏する。バフの準備に時間がかかる。スタン値も低い。けれどもきっと、他の武器では味わえない魅力がある。
見た目も音色も旋律も違うから、全て作成したくなる。私はMHXXの笛をコンプリートしている最中だ。やっと100本を超えた。
強さを求めているならば笛は合わないかもしれない。だが快適で、楽しく、面白い武器だ。
狩猟笛についてこういう表現がある。
「敵を楽して狩れないが
敵を楽しく狩れるそれが狩猟笛」
本当にその通りだと思う。
楽しい武器なのだ。火力が出なくとも、工夫で、個性で狩りをするのは快適で、それでいて確かな楽しみなのだ。
狩猟笛に興味を持ってくれることを願う。
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