AMDとMicrosoftは、Ryzen 5000シリーズ以降のCPUのパフォーマンスを向上させるためのWindows 11アップデートを共同で準備中。このアップデートは、一部のゲームにおいて最大13%もの性能向上を実現する可能性があるとされている。
参考:https://community.amd.com/t5/gaming/ryzen-9000-series-community-update-gaming-performance/ba-p/704054
パフォーマンス低下の原因とAMDの調査
2024年8月に発表されたRyzen 9000シリーズは、期待を大きく下回る性能という評価を受けている。AMDはこの問題の原因として、Windows 11に存在するバグを特定し、管理者アカウントを使用することで一部の性能が回復することを明らかにした。
AMDは、Ryzen 9000シリーズの内部テストにおいて、自動テストツールを用いて管理者モードで検証を行っており、この際、一般ユーザーが使用しているWindows 11 23H2とは異なり、Ryzen 9000シリーズの新しい分岐予測機能を最大限に活用できるよう最適化されたWindows 11のバージョンを使用していた。このことが、AMDの公称値と第三者によるレビュー結果に大きな差を生み出した原因であると説明されている。
最適化と性能向上
Ryzen 9000シリーズに最適化は、Windows 11 24H2 Build 26100から導入されている。そのため、現時点ではこの最適化を体験するには、Windows 11のRelease Preview版をインストールする必要があるが、Windows 11 24H2が正式リリースされれば、一般ユーザーもこの恩恵を受けることができるようになる。
AMDは、Ryzen 9 9950Xを用いたベンチマーク結果を発表し、一部のゲームにおいて顕著な性能向上が見られることを示している。Far Cry 6では13%、Cyberpunk 2077では7%の性能向上が見られるので、ゲーマーは適用してもいいだろう。
全Ryzen CPUへの影響と今後の展望
AMDは、この分岐予測の最適化がRyzen 9000シリーズだけでなく、Ryzen 7000シリーズやRyzen 5000シリーズにも有効であると述べている。実際に、Ryzen 7 5800X3Dにおいても約10%の性能向上が見られたという報告があり、2年以上前に発売されたCPUでも、今回のアップデートによってゲーミング性能が改善されることが期待できる。